小林ミニトリップで触発され、ビストロ風晩酌
vol.3 コックオバン

お目当てのすき酒造さんは想像以上に素敵でした

この週末は、宮崎市内から車で1時間ほどの小林市までドライブ。お目当てはすき酒造の蔵見学です。こちらの杜氏さんは、数少ない黒瀬杜氏※の流れを汲む方で、小さな蔵ですが、扱う種類の多さ、個性の豊かさは群を抜いていて、一度行ってみたいと常々思っていました。須木という地名は、杉からきているとも言われていて、ここは綺麗な水と緑に囲まれた素敵なところ。創業者の宗次郎もこの豊かな水に惹かれ、京都からこの地に移り住み焼酎作りを始めたそうです。

こだわりの酒造りと山猪

ジョイホワイトと黄金千貫の原酒を使い、無濾過で仕上げた山猪は、昔懐かしい芋の香りが濃厚な焼酎。ジョイホワイトの特徴はフルーティで淡麗な味わいで、芋焼酎が苦手な方も飲みやすいというイメージだけど、この山猪は芋っぽさがしっかりと、厚みのある酒に仕上がっています。 小林で見つけた金のぐい呑みに水を入れて電子レンジでチン、焼酎をそっと注いでお湯割りを楽しみながら、深い味わいのメイン料理を楽しむのに最適。杜氏さんのお話も実に楽しく、いい時間が過ごせました。

山猪に負けないメイン料理とは

そんな山猪の力強い味わいに合わせるのは、今やフランス全土で人気の家庭料理、コックオーヴァン(coq au vin)です。coqは雄鶏、vinはワイン。鶏肉を野菜の出汁が効いた赤ワインソースで煮込んだお料理です。

本来は、年をとった雄鶏をワインで一晩漬け込んで柔らかくしてから、ベーコンやマッシュルーム、玉葱などと共に赤ワインで煮込んだブルゴーニュ発祥の田舎料理でしたが、最近では雌鳥や若鳥を使うことも多くなりました。仕上げに黒胡椒の風味を効かせてスパイシーなニュアンスを加えるとより美味しい一品です。 今宵も宮崎は焼酎日和。週末の晩酌が待ち遠しいです。

コックオーヴァンの作り方  

材料
  • 鶏もも肉 2枚(600g)
  • 玉葱 1/2個
  • 人参 1/2本
  • セロリ 1/2本
  • にんにく 一片
  • ベーコンブロック 50グラム
  • 赤ワイン 250cc
  • 水 250cc
  • デミグラスソース 150cc
  • チョコレート 5g

ジャガイモやインゲン、ブロッコリーなどの青物はお好みで加えましょう

  1. 鶏もも肉に塩、胡椒しリソレしオーブンで火を入れる。
  2. ミルポアは全てコンカッセしておく。
  3. ベーコンを炒めて脂を出し、ニンニクも加えて香を出します。残りの野菜も入れてしっかり炒め甘みを引き出します。
  4. 赤ワイン(無塩)を注ぎ三分の一に詰めます。
  5. ブイヨン、デミを入れ、約三時間煮込みます。
  6. チョコレート、塩、胡椒で味を調えます。
  7. ソースに肉を戻し温めます。

※ リソレとは焼き目をつけること。肉の周りをしっかりと焼き、肉汁を閉じ込めるフレンチでよく使われる技法です。

※ ミルポワとは玉葱、にんじん、セロリといった香味野菜のこと